プリマドンナ伝説

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伝説物語

S37年「タカラジェンヌに栄光あれ」表紙
S37年「タカラジェンヌに栄光あれ」表紙

 

目次 

寿美花代が降ってきた

緞帳を震わせた

大階段伝説(その1)3階席まで

大階段伝説(その2)ー* 日本初のワイヤレスマイクで歌ったのは *ー

大階段伝説(その3)マイク⁇音声さんまたビビる

大階段伝説(その4)谷間に音叉

二階席のアメリカ兵さん

大事なところがあんなところに

アイスショウのすべらない話?

帝国劇場の 不思議な穴?!

寿退団なので♡サプライズ ♡

 

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◆ 寿美花代が降ってきた 伝説

S36年4月『華麗なる千拍子』東京宝塚劇場
(S36年4月『華麗なる千拍子』東京宝塚劇場)

TVの寿美花代さんの話(関西弁で)

 

「『華麗なる千拍子』の東宝劇場の公演で、私セリから落ちたんやね。

オーケストラBOXの皆は「まっちゃん死んだ!?」と思ったみたい。

その時、下でプリマドンナの槇克巳がスタンバイしてたんやね。

ほんで落ちる時に私カツラ(槇克己の)を掴んで取ってしまってねえへへへ、(槇さんは)そのまませり上がって歌った!」

 

 面白いので、ご本人に聞いてみました。

 

Q:(寿美さんが)落ちてきたときカツラはぎ取られて、そのまませり上がって歌わはったんですか?

 

A:カツラなんかかぶってへんよ!それはね、頭に乗せてる羽とか付いた飾りや。

当時は今みたいにねえ、(カツラ)ええのん無かったし、たいがい自毛(じげ)よー。

ほんで寿美花代が落ってきて、私のを掴むから~

 

Q:落ってきた寿美花代さんは、どうなったんですか?

 

A:私の足元に寝ころがって、うなってるし、退いてくれへんし、けったってん。

 

Q: えーっ!?

 

A:せやけどね、それどころやあらへん。

上では マル サチ オソノ が 歌って踊りながら待ってやるし、早よ 出て行ったらな あかん。

オーケストラも 鳴って待ってくれてるのん 聞こえてるし、

せりの上 退いてもらわな 出て行かれへん。

ほんで しゃあないやん。

 

それから グッと頭を直して(頭を両手でぎゅっと直すしぐさ)、何事もなかった顏して、

サーと 上がって行って 歌ったのよー(笑)

 

 

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◆ 緞帳を震わせた 伝説

1960年第一回宝塚芸術祭パンフレット
1960年第一回宝塚芸術祭パンフレット

 

元星組トップスターO・Rさんがディナーショーでされていたお話

 

大劇場公演で、プリマドンナの 槇克己さん が歌い出すと、

 緞帳が 反応して 震えだしたので、皆も 震えた 伝説

 

を話しておられました。

 

 

※ 1960年第一回宝塚芸術祭 オペラ『カルメン』の公演

ではないかという説もあります。

 

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◆ 大階段 伝説  (その1)

 

  ー 3階席まで ♪♪

ある時 公演中に停電になりました。(昔は停電が多かった様です。)

舞台はフィナーレが始まっています。

大階段の途中で真っ暗になり(予備の電気だけ点いている)お客様も心配顔...

 

そんな中、途切れずに聞こえてきた主題歌。

澄んだ美しい声は響き渡り3階席のお客様まで届きました。

 

プリマドンナのカデンツアで始まり、オーケストラが入ります。

もちろんマイクは入ってませんが、懸命に演奏し歌います。

 

3,000人のお客様がシーンと聞き入る中、感動のフィナーレ。

その後 復旧し、楽しいパレードへと無事笑顔で緞帳が下りたのでした。

 緞帳

 

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◆ 大階段 伝説  (その2)

 

日本初のワイヤレスマイクで歌ったのは

上の写真は1959年『シャンソン・ダムール』星組公演 日本初のワイヤレスマイクから4年後
(上の写真はS34年『シャンソン・ダムール』星組 日本初のワイヤレスマイクから4年後)

 

Q:ワイヤレスマイクも 宝塚が 日本で 初めて使ったんですってねー

A:そう。小林社長が アメリカ視察から帰ってきて すぐ輸入しはってん。

 

 私、ワイヤレスマイクであぶなかってんで~。(ええっ~!)

 感電して~ (ええっ~!)

 

 日本で初めて ワイヤレスマイク を使ういう日でね、

 ワイヤレスいうても、沢山のコードを、背中から 首から 体中這わせて、テープで貼り付けたりして、

 腰にも機械がぶら下がってるし大変。

 ハンドマイクのちょっと細いのを、胸の谷間に貼り付けて、

 音声さんも、衣装さんも、大道具さんも、みんなで 試行錯誤しながら 私の身体を入念にチェック。

 

 スタッフ全員、演出家も偉いさんも、大緊張の中 ようやく始まったリハーサル。。。

 

 衣装部さんに 両方から衣装を持ってもろて、そして大階段、いつものように14段。。

 パッと ライトがあたって、オケが  ♪ジャーン♪、華麗に歌い出した 瞬間! 

 アッ ビリビリビリ!来た!

 「痛!電気来た!早よ止めて!死んでまう!!」  って 怒鳴ったってん。

 

 ほんまに怖かったわ~

 スタッフの みんなも 怖かったやろねー 

 ほんでも、やり直して 何度も しっかり調整して、再度 緊張のリハーサルへ。

 

 見事 大成功 やったんよ~。(感動の拍手~88888)

 

 かくして、宝塚歌劇団プロジェクトの努力 と 槇克己の度胸 で、日本の ワイヤレスマイクの歴史 は 開かれたのでした。

 

 

Aug. 5, 1955 - 宝塚歌劇団のラジオマイク(アメリカ製, 40.68MHz)が陸上移動局として免許。

 

京阪神急行電鉄(阪急)が経営する兵庫県宝塚市の宝塚歌劇団ではアメリカから40.68MHzのラジオマイク(ワイヤレスマイク)を輸入し設備し、
1955年(昭和30年)8月5日に郵政省はこれを陸上移動局として免許した。


宝塚歌劇団はさっそく公演中の花組のミュージカル「キスメット」で使用を開始した。
1934年(昭和9年)よりスタンドマイクを導入していたが、マイクから離れた位置でのセリフは肉声に頼るしかなく、
4,000人を収容できる宝塚大劇場では、ワイヤレスマイクの免許を得て場内の隅々までセリフを届けるのが悲願だった。

 

 その効果が評判となり、国際劇場(松竹)や日本劇場(東宝)など、40.68MHz のラジオマイク(陸上移動局)を導入(開局)する劇場が他にも現れた。


郵政省では2年後に、免許を要しない無線局として扱うように電波法施行規則を改正した。  ( Citizens Radioより)

 

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◆ 大階段伝説 (その3)

 

マイクが⁇ 音声さんまたビビる(^^;

七場スペインの歌 グラン・スカートの歌手 槇克己 レヴュー初の大道具と合体した衣装で。
七場スペインの歌 グラン・スカートの歌手 槇克己 レヴュー初の大道具と合体した衣装で。

 

 昭和初期の劇場は停電が多かったエピソードをお話しさせて頂きましたが、

 

ある時公演中に 槇さんの様子が ちょっと可笑しい~

あれー⁇と首をかしげてみたり、マイクをたたく様なしぐさ。

口は動いているのに 声が聞こえて来ないない。。。

 

音声さん達は またマイクか と 大慌てで アタフタ。。

 

と、槇さんは ニタニタ。。。

すぐに歌声が流れます。何事もなかったかのように。。。

 

そうです。いたずら好きの槇さん。

仲良しの裏方さん達に いたずらでお返しを、

  本番中にもやってはったんですね~。

 

Q:あのーそんなんしても大丈夫なんですかー。

 

A:ふん(頷く)。ほんまはあかんねんけどなー(笑)

  (手を左右に振りながら)あかんあかん。今やったら 即 首や。

 

  昔はねえ 音声さんや大道具さんも 仲良しやったから~

  特に私は 誰とでも話しするから 好かれててん(笑)

  いたずらもするけど、そこはプロやからね、毎日本気の仕事してました。(^^;)

  

 

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二階席のアメリカ兵さん 伝説 

 

スタンディングオベーション ★☆★

上の写真は(『三銃士』のフィナーレAで 12人の男役を侍らせ歌う ソロの女)
上の写真は(『三銃士』のフィナーレAで 12人の男役を侍らせ歌う ソロの女)

 

元花組トップスターのA・Jさんがディナーショーで話されていたお話。

 

戦後、高度成長期にさしかかろうかという頃、宝塚劇場の二階席には アメリカ軍の兵隊さんが 来られるお席 がありました。

その日は、海軍の兵隊さん達が 見に来られていたそうです。

 

ショーのカーテン前、娘役さん達が歌って カーテンの真ん中にはけます。

入れ替わりに 槇克己さんが、カーテンの間からおもむろに 美しい手だけを 伸ばして見せ、パーっと出て♪「スワニー」を歌い出します。

 

と、その時 二階席から歌声が・・♪

なんと!兵隊さんが一緒に歌い始めて、コーラスとなり、

今なら¨スタンディングオベーション¨というんでしょうか、

兵隊さん達が みんな立ち上がって 合唱し出したのです。(ハリウッド映画みたい)

 

アメリカ兵もとりこにしてしまう ¨歌姫 槇克己¨さん の 素敵なお話 をされていました。

 

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◆ 大事なところがあんなところに 伝説

ポルトスがミラディに一目惚れのシーン
(上の写真は、ポルトス(内重のぼる)がミラディに一目惚れの場面です。)

星組公演『三銃士』

16場「ミラディの部屋」でのお話①

 

ミラディ(槇)の部屋にアラミス(那智わたる)が現れ、王妃の首飾りを取り戻さんと

妖艶なミラディの谷間に むんずと手をつっこみ、

ダイヤの首飾りを しっかり掴み しっかり掴み・・アラ? ポロリと。

何ということでしょう。大きなおっぱいが舞台上に・・・

 

非常にシリアスな場面です。こんな時こそ面白い(ごめんなさい)

 

Q:その時 どうしはったんですか。

A:マルさん(那智)一瞬どないする~て困った顔したけど そのまま演技を続けたよ。

  私も。

Q:それでその おっぱいはどうなったんですか。 

A:そのまま 舞台上に・・・

    ー暗転ー

 

     その後の  おっぱい様は・・・

センターに残り、ダルタニアンにも アラミスにも ポルトスにも 組長さんにも 救出されず、

なんと!!そのままフィナーレまでご出演となりました (^^);

 

 大階段を下りてきたみなさんは 笑いをこらえて、いえ  満面の笑みで パレードを、

そして 緞帳が下りて 無事 終演となったのでした。

 

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◆ 綺麗なお背中が丸見え

S36年『三銃士』ミラディ役 大劇場 月組公演
(上の写真は S36年『三銃士』ミラディ役 月組 大劇場)

星組公演『三銃士』

16場「ミラディの部屋」でのお話②

 

争いのはずみに脱げた ガウンの下の 美しいミラディの背には 大きな百合の花の烙印の跡があります。

それは牢に入れられた罪人の印なのです。

 

醜い過去をアラミスに罵られたミラディは、唇をかんで復讐を誓います。

 

ここで槇克己は 一世一代の凄い顔をして大見得を切ってみせます。(宝塚グラフより)

 

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Q:その日、鏡の中で ミラディの背で 咲いているはずの¨ 百合の花 ” が、写っていませんでした。

 “百合の花の烙印 ”は、汗ではがれたのか、ガウンと共に落ちたのか、床の上で 咲いていたのです。

なので ミラディの 美しいお背中 が すっかりきれーに見えている。

 

見せ場で “百合の花の烙印 ” が無いと困りますよね。

照明さん  探さはったんじゃないですかね。

 

 一人残された ミラディ。

しかし、そこは迫真の演技で 魅せました。流石です。

 

A:へーほんまー(笑い )そんなんあったんかいな~(と楽しそうにニコニコ)

 

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◆ 帝国劇場の 不思議な穴 伝説?!

昭和の旧帝国劇場
昭和の旧帝国劇場

 

帝国劇場には、舞台上に ”穴” が開いている場所 があってね。

 

ある日、その日の休演者の「代役」の私がね 、セリフを言うて、主役の後を追っかけて、走ってはけるねん

 ??? いきなり真っ暗・・・

そんな所に穴あるのん 知らんから~

一目散に走って行って、思いっ切りストンと落ちた。

。。。言うといてくれな 分からへんやんなあ。(舞台装置用の穴?)

 

 

大道具さんが、上からのぞいて、「上がってこい。」て言うねん。

「ロープほどいて下ろす。」とか、「そっち (別の方指して) 側から上がって来い。」とか。。。言うねん。

 なんで 私が よいしょよいしょっ(ロープを手繰るしぐさ)って上らんなんねん。

    衣装も着てるしー とか思いつつ、

 何とか かんとか 脱出して。。。

 

 次、本役の 自分の出番 で 歌わなあかんから、

裏 走って走って 大急ぎで 上手で着替えて、 (不死鳥のごとく現れ)歌  間に合ってん (^^♪)

 

 もちろんお客様は、大受けで たいそう喜んではりました。

 

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☆寿退団なので☆サプライズ 伝説

槇克己 「レビューへの招待」
さよなら公演(グランド・レビュー「レビューへの招待」 より)

 

 千秋楽で、客席にスポットが当たり フィアンセを紹介したサプライズは あまりにも有名!

 

さよなら公演は  グランド・レビュー「レビューへの招待」  宝塚大劇場 でした。

 

紹介されて、客席の中から 白いスーツの 背の高いスラッとした青年が  ゆっくりと立ち上がり ピンスポット の中に現れると、

満員の お客様から ため息と歓声があがり、盛大な拍手が 巻き起こりました。

素敵なその青年は、客席の方を向くと 少し照れながらも丁寧に礼をされ、さながら 映画のワンシーン のようでした。

 

 夢を見ているような空間。タカラジェンヌの 愛と夢のラストシーン。。。

 

 こうして また一つ ¨幸せな伝説¨ を残して プリマドンナ は 巣立って行ったのでした。

 

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※書きかけの項目があります。m(__)m